Ivana Helsinki

パーソナルなストーリーを繊細なプリントに表現。「イヴァナ・ヘルシンキ」の世界へようこそ。

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「Tabio ARTS」は、アーティストとコラボし、靴下を生み出すアートソックスレーベル。これまで浅野忠信やドノヴァンなど、国境を越えて様々なアーティストとコラボしてきた。そんな「Tabio ARTS」がタビオ創立50周年を記念し、靴下の日11月11日(日)に再始動する。今回選出されたのは、五月女ケイ子、長場雄、千代の富士、森山大道、そしてイヴァナ・ヘルシンキの豪華な面々だ。

Text by Aya Tsuchii

 イヴァナ・ヘルシンキはフィンランドを拠点に、レディトゥウェアからオートクチュール、テキスタイルといったファッションの分野から、アクセサリー、インテリアと幅広いアイテムを展開しているブランドだ。パリでコレクション発表をする唯一の北欧ブランドであり、フィンランドではもちろん、日本でも様々なアイテムやブックの販売、ユニクロやPLAZAなどとのコラボにより知名度をじわじわと上げている。今年、ブランド設立20周年を記念し、9月に青山スパイラルではイヴァナの20年を振り返る回顧展を開催した。それに合わせて来日した創立者のパオラ・スホネンとピリヨ・スホネン姉妹。インタビューでは姉のピリヨがブランドのアイデンティティやデザインついて、そしてタビオとのコラボについて語ってくれた。

 イヴァナ・ヘルシンキといえば、鳥、花、木、テントなど、自然と精通するプリントデザインが特徴的だ。「フィンランドは自然豊かな国。自然と人との距離が近く、自然の中でたくさんの時間を過ごしているの。それに私たちはロードトリップが好きだから、旅での様々な経験をデザインに落とし込んでいるわ」。デザインを手がけているのは妹のパオラだが、初めからプリントデザインを手がけていたのではなく、ブランド創立初期は服をデザインしていたという。「始めの2シーズンが終わってから、自然とプリントをデザインするようになっていった。テントプリントとバタフライは初期のものよ。プリントはストーリーが伝わりやすいから、デザインの背景を伝える手段としてのプリントに自然と行き着いた」。プリントには、パオラが体験したパーソナルなストーリーが込められているのだが、これこそがブランドのアイデンティティであり、デザインの中核だ。ストーリーテラーのパオラは常にスケッチブックを持って絵を描き続けているという。だからこそ、すでに1万というデザインが存在しているのだろう。「妹(パオラ)の手がけるものは全て自身を表現している。これが彼女のアートなの」と一番の理解者であり、ブランドのマネージメントを務める姉のピリヨは話す。

 最近ではアクセサリー、インテリア、ビジュアルメイキング、レコードレーベルと幅広く活動しており、すっかり「イヴァナ・ヘルシンキ」はファッションブランドというより、ライフスタイルブランドとして位置付けられている。高いデザイン性が求められるフィンランドならではの環境も彼女たちのデザインを様々な形へと押し上げているようだ。「フィンランドの家はミニマルなデザインが多い。だから、インテリアなどでは、プリントを使って自分たちのテイストを表現している人も多いのよ」。来日中に行ったトークイベントの後にはパオラが歌を披露した。「パオラはミュージシャンでもあるの。12月に初のレコードをリリースするんだけど、彼女にとっては音楽活動もとても重要で、切り離せない存在なの。音楽はストーリーを伝える大切な方法の1つだからね」と言いながら、歌を聴かせてくれた。

 さらに毎年10月にフィンランドで、ライフスタイル全体を体験出来るフェスティバル「スーパーウッドフェスティバル」も開催している。イベントも自然、食、音楽を楽しめる彼女たちならではのアイデアだ。「私たちがプロデュースするものはどれも自然と精通しているわ。自然からは逃げられないからね」。

 そして話は今回のコラボへ。ブランド創立当初から日本のマーケットと繋がりがあり、幾度となく日本へ来ている2人。その中でもタビオは思い出に残るショップの1つだったそうだ。「タビオは私たちが初めて行った日本のソックスショップだったの。だからコラボの話を聞いた時は気持ちが高ぶったわ。フィンランドと日本は共通しているものが多くあると思うの。日本も自然が豊かで、自然を楽しむ文化がある。それに人間性に関しても、知らない人とはあまり話さなかったり、公共の場では静かにするなど、配慮も似ているわ。だから日本で私たちのデザインが商品化されるのはとても嬉しいこと」と話し、「それにフィンランドは寒い国なのでタイツや靴下はとても大切。私たちの生活必需アイテムを、タビオのような種類が豊富でデザイン性も高いソックスブランドとコラボレーションできるなんて素敵な話。だから今回の企画が実現できてとても嬉しかった」と喜びを語った。メイドインジャパンにこだわるタビオ。プリントソックス専用の生地を編み立て、糸も独自に選定。今回のコラボアイテムも1つ1つ手作業で仕上げられている。「ハンドニットで仕上げられていることにとても感激しました。そしてこのこだわりのあるパッケージも、より私たちのブランドイメージを際立たせてくれています。今回のコラボを通じて、日本人としてイヴァナ・ヘルシンキをどんなブランドとして見てくれるのか、とても楽しみ」と期待を言葉にした。

 今回登場するプリントは「シジュウカラ」「マトリョーシカ」「ヒバリ」「ハーベスト」の4柄。この4種類はとてもバランスが取れているのだとピリヨは言う。「どれもイヴァナのクラシックなデザインなの。パッと見てわかる明確なデザインと仕掛けのあるグラフィカルなデザインをピックアップしてもらえたわ」。中でも鳥のモチーフのデザイン「シジュウカラ」は実にユニークだ。「シジュウカラのシェイプを様々な角度で繋げてグラフィカルにデザインしたの。忙しい毎日の中で、一度止まってじっと見ると、何か違うものが見えてくるというメッセージが込められているのよ。これはとてもイヴァナらしいデザイン手法。パターンの意味を多くの人に知ってもらって、より楽しんでもらいたい。そして今後はプリントだけじゃなくて、素材にこだわったり、装飾をプラスしたり、ディテールにこだわったデザインも挑戦したいわ。これだけたくさんのプリントデザインを持っているので、カスタマーにどのプリントのソックスを身に付けたいかチョイスしてもらうのも面白そうだわ」と今後についてもポジティブな姿勢を見せた。

 たくさんある北欧ブランドの中で、イヴァナ・ヘルシンキはどのようなブランドとして日本人の目に映るのか?「私たちは私たちの世界観をファッション、音楽、ムービーといったビジュアル、イベントなど、様々な方法で表現している。ライフスタイル全体をデザインしているの。タビオとのコラボソックスを見て、どんな物語がそこに込められているのかに興味を持ってもらい、そこから私たちの幅広い表現にも興味を持ってもらえたら嬉しい。私たちのブランドは複雑なレイヤードでできている。プリントデザイナーとしてだけでなく、アートデザイナーとして理解してもらえたら嬉しい」。

IVANA HELSINKI/イヴァナヘルシンキ
フィンランドを代表するファッションブランドで、“現代のマリメッコ”の異名を取る。1998年にデザイナーであるパオラ・イヴァナ・スホネンと、その姉のピリヨ・スホネンによって設立。世界各国のリーディングカンパニーとの国際的なコラボレーション実績多数。
www.ivanahelsinki.com