Rila Fukushima

自由にボーダレスに。福島リラが描く未来。

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現在女優として国内外で活躍する福島リラは転換期を迎えている。モデルとして輝かしい経験を積み、今新たなスタートラインに立つ彼女。これまでの軌跡を振り返りつつ、これからに向けたリアルな心情や覚悟を訊く。

Photography by Reiko Touyama
Text by Aya Tsuchii
Edit by Ayumi Kinoshita

 世界が注目するハリウッド映画に出演し、東洋の雰囲気を纏い、しなやかな動きを見せたと思えば、『AnOther Magazine』や『Purple Magazine』など、世界的なクリエイティブメディアにも登場し多彩な表情を見せる。また、モデルとしては小柄な彼女が突然ルイ・ヴィトンのランウェイを闊歩し、スポーティー&フューチャリスティックなルックを見事に着こなしていたのも印象に強く残っている。シャープな顎のラインに力強い眼差しを持ち、年齢不詳で個性が強く、その存在は謎めいている。国境、性別、職業、服の概念など、様々な境目が曖昧な現代。福島リラが活躍するフィールドもまた、一言で説明するのは困難だ。




 彼女は自身が描く理想の人物像を追い求め続ける表現者。理想は年齢や経験とともに変化はしているものの、しっかりと地に足をつけて、未来を描きながら前に進んでいる。「さまざまな作品に巡り合い、参加していきたいですね。日本の作品にももっと関わっていけたらいいなと思います」。面白いと直感で興味をそそられれば、表現する場は厭わない。挑戦をし続ける変革者だと、話を聞いていて率直に感じた。

 モデルとしてキャリアをスタートした彼女は、大学を卒業したあとは一度就職。事務的な仕事をこなしていたという。「学生の時から写真を見るのが好きで、海外の雑誌を集めていたりしていました。洋服も好きだけど、その服を纏っている被写体にも惹かれていましたね。特にポートレートなど、その人の表情の裏側が見える写真が好きでした」。当時を思い返し、「モデルや人が好きだったんでしょうね」と分析する。そしてモデルの世界に興味を持ち、意を決してその世界に飛び込む決心をする。しかし当時はモデルの仕事以外にマネージャー業にも興味があったという。「独自の審美眼でモデルを見出すマネージャーという職業も素敵だなと思っていました。それで私が当時日本で一番かっこいいと思う事務所に履歴書を送ってみたんです。すると面接で、『モデルの経験をしてからマネージャーになっても遅くない。モデルにチャレンジしてみない?』とスカウトしてもらい、やってみようと」。彼女は8ヶ月で会社を辞め、モデルに転身する事に成功した。





 その後、2003年から2011年までニューヨークに拠点を移して活動し、広告やエディトリアルなど、トップモデルの道を駆け上がった。そして次第に演技に興味を抱き始める。「周りの友達はモデルをやりながら、アクティングのクラスを受けていたり、デザインの勉強をしていたりしていましたね。一般的にモデルは活動できる期間も短く入れ替わりが激しい世界なので、先のことを考えて動いていたんです。そんな友人たちから刺激を受け、私も色々なことを試し、中でも演技は一番興味が持てました。そして女優としてもキャリアを重ねていきたいと思うようになりました」。

 そして福島は2011年に帰国する。「久しぶりの日本の生活に、不安な気持ちもありました」と当時を振り返る。しかししばらくして、演技をするチャンスが訪れる。それが彼女の代表作『ウルヴァリン:SAMURAI』だ。「連絡が来た時は作品名を知らされないまま、英語力や演技力などをテストして、かなりの回数のオーディションを重ねました」。そうして当時は過去の作品や女優としての経験もなかった彼女が、これを機に一気に女優としてグローバルに認知された。その後も『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ゴースト・イン・ザ・シェル』など、人気作に出演を果たしているが「今は声のお仕事や舞台もやってみたいし、もっと演技を磨いていきたい」と、さらなる目標を言葉にする。



 福島は普段から面白そうと思うものや興味があるものは、すぐに行動して挑戦するタイプ。「知りたいこと、試したいことがありすぎて時間が足りないんです」と話す彼女は、自分のキャリアを見直す時期に差し掛かかると、ある行動を起こした。「演技の基礎から今一度勉強したくて、サンフランシスコの学校に通い始めました。今このタイミングを逃したらもう学校に行くことはないかもしれないと思ったんです。2017年の9月から通いはじめ、英語が第一言語じゃない生徒は私だけだったので、恥ずかしい思いをたくさんしました。言葉や文化の違いにも苦労しましたね」。




 そこまでして学びたかった理由を、彼女はこう明かす。「多くの役者さんが演技をどのように勉強しているのかを、自分も体験してみたかったんです。サンフランシスコでの生活では、できることできないこと、得意不得意といろいろ見えたし、自分を見直すいい機会にもなりました。今後は、日本でもっと経験を積んでみたいです」。これが彼女の答えだった。お茶の間で目にするその日を楽しみに、日本でのさらなる活躍を大いに期待して心が踊るのだった。

Rila Fukushima/福島リラ
2003 年より 8 年間、ニューヨークをベースにモデルのキャリアを積みグローバルに活躍。唯一無二のキャラクターで、世界的なフォトグラファーからの評価も高い。2011年に帰国し、2013年、映画『ウルヴァリン:SAMURAI』でハリウッドデビューし本格的に女優業を開始。2014年にはNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』、その後アメリカTVドラマ『ARROW』、『ゲーム・オブ・スローンズ』や映画作品に出演し、国内外で活動をする。
rilafukushima.com